2012年4月15日日曜日

父親の気持ち

今週は大地の子の第八部と第九部を見た。陸一心の本当の父親松本と会った時、養父の陸徳志はこう言った:
「松本さん、言い難いでしょうから、申し上げますが、今日来られたのはもしや一心を返して欲しいと。。。今あなたが一人暮らしをされていると伺って、何年もわが子を思ってこられた。お気持ちの強さが分かりました。もし、あの子を返してと言われるのなら、私は構いません。」

初めてこの場面を見た私は、世の中でこのような養父がいるかと自分自身に聞いた。信じられなかった。私の祖母は1931年生まれ、抗日戦争の時本当の親と別れてしまった。養父母は家を手伝う人だったが、死ぬまで彼女に本当の親のことを教えてくれなかった。祖母の親の行動が普通の一般人の行動だと思う。それに対し、陸徳志の発言はふつうではないのではないだろうか。

陸徳志が日本人孤児を一生懸命育てることも一般人にとって不思議だろう。その不思議さは山崎さんがくれた陸徳志の魅力だと思う。誰よりも優しい。日本人孤児が何の罪もないと思うので、育ててあげた。一人暮らしの父親の気持ちを誰よりもわかるので、陸一心を返してと言われるのなら、構わない。この設定が可能な要因は、陸徳志の教師としての身分と関係が深いと思う。

陸徳志は「これからあなたが一緒におすごしなさい」と言った原因は、彼が息子の陸一心を愛しているからだと思う。中国の儒教文化によると、孝(こう)は中国の伝統的な道徳の中で一番重要な点だとも言える。そのため、儒教の影響を受けていた陸徳志は一心が一人暮らしの本当の父親の世話をするべきだと思っているかもしれない。彼が松本に提言したのは、一人暮らしの松本のためだけでなく、松本の世話をする責任を持っている陸一心のためだろう。

4 件のコメント:

  1. そうですね。陸徳志は「これからあなたが一緒におすごしなさい」と言ったのは確かに孝の考え方だともいます。二十四孝の中で、王祥という人は継母からひどいヂ虐待を受けても、継母にも大変孝行をしました。陸徳志は伝統思想の影響を強く受けて、文革前に生まれた知的の対表だと思います。今の中国では儒教の影響がだんだんなくなるという現象はとても残念ですね。

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    1. 儒教の影響の中で、もちろん現代社会で応用できない道徳観がありますが、儒教の影響がなくなったら中国人の良心も失ってしまうと思います。残念です。

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  2. 実は私は陸徳志のキャラクターはあまりにも現実感がない設定だと思ってきましたが、ウェンさんの記事を読んでから彼の考え方を少しは納得するようになりました。確かに考という概念から考えてみたら、彼の行動を少しは理解することができますね。韓国には親孝行の伝統がまだ凄く強いですので、たぶん韓国ドラマだとしたら陸一心が両方の親と一緒に暮らしながら親孝行をする結末になったのかもね(笑)。

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  3. そうですね。私も陸徳志の人物の現実性を疑いました。こんな人は百万人の一人だで、本当に存在しないかもしれませんが、やっぱり存在してほしいですね。実は、この場面でみんなと違う逆のレアクションを感じてしまったんですが、私のブログでこの意見を書きました。

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