初めて星新一の小説を読んだのではないが、「愛用の時計」と「ボッコちゃん」を読んだことがある。同じようにショートショートのスタイル(特に不思議な設定、考えられないオチ)を使っているが、「ああ祖国よ」の方はもっと現実感がある上に、微妙に著者の自分の感情を含めていると思う。
まず、なぜ「ああ祖国よ」を読んだ時よく現実感が出るか。
日本人の特徴と日本政府の特徴をよく描写したので、現実感がよく出ると思う。まず、メディアで働いている主人公は「戦争だ」と聞くと、「ベッドから飛び出す」、「核弾頭、ミサイル、焼野原、すべての死」、また「遺書」や「貯金」や「死ぬ前に外国旅行もしたい」と思うようになった。その主人公の反応は直接日本人の戦争に対する態度を表しているのではないだろうか。特に第二次世界大戦の後、日本の一般人にとって戦争に対する印象は日本が戦場として経験したことだろう。つまり、日本人は誰より戦争が怖いものだと思い込んでいるだろう。「進学戦争」、「住宅戦争」のような言葉もよくある。中国語で戦争比喩はあまりそのように広く使えない。戦争歴史によって日本人がどのような怖いものにも「戦争」の比喩を付ける傾向になったのではないだろうか。
普通の日本人の性格を表す上に、星新一はまた政府の無能で無決断な特徴をよく表現していると思う。日本政府は本当に小国へ一億ドルの賠償金を払う可能性はあるのか?それは現実的じゃないだろう。賠償金を払うのは、実際日本だけでなく世界で外交手段としてよく使われることだと思う。例えば、中国政府が世界で台湾を国として認めないようにたくさんの国へ大金を払った。でも、この小説にある一億ドルの賠償金は、日本政府がアメリカとの繋がりを維持するためにどんな犠牲も払えるという意味がある。アメリカとの繋がりの必要性はまず日本政府が戦争を避けるためだろう。前のブログで書いた在日米軍の問題も、日本政府が何十年間をかけて、やっと移転問題の結論が出せたのだ。したがって、日本政府の決断力がないという事実はこの小説で戦争の対応策を出す過程でよく表現されていると思う。
星新一の衆議院議員の父親・星一 |
素晴らしい分析ですね。特に「戦争」という言葉の使い方についての内容が面白かったんです。考えてみたら、韓国語にも色んな「~戦争」がありますね。出勤戦争から進学戦争まで本当に沢山の単語があります。冷静に言うと韓国こそ世界で一番戦争の危険が高い国ですのに、戦争という怖い言葉は生活で何気なくよく使ったりするのはちょっとおかしいかもね。たぶん、この小説の中では日本人は戦争の可能性について考えなくてもいい凄く穏やかな生活に慣れているから戦争という言葉を聞いても本当の戦争のことを連想できなかったのではないでしょうか。
返信削除大変勉強になりました。私は星新一はなぜこんなに皮肉な作品を書いたを考えてみたが、やはり彼のお父さんの仕事との関係もありますよね。私も彼が日本人の戦争に対する態度をよく描いたと思います。第二次戦争を経験したのは日本だけではないが、日本人は自国の軍事力に自信がないか、また、唯一の被爆国なので被害意識が特に強いか、「戦争」と言う言葉を聞くと、非常に怖がりますよね。それでも「戦争」という言葉を乱用しますよね。何でも「戦争」と呼ぶと、戦争のもとの意味もなくなってしまうと思います。
返信削除すごくいい分析を書いたと思います。確かに、「ああ祖国よ」は前私達が読んだ星新一の作品より現実感がありますね。私はウェンさんと同じでこの読み物は色々な社会批判をしていて、特に日本が決断力がないという点です。
返信削除私は「ああ祖国よ」の解釈はちょっと違います。その言葉を聞くと、もっと皮肉な感じがあると思いますから、「ああ祖国よ、なぜあなたはそんなに弱いのか」というよりも、「ああ祖国よ、素晴らしい国だな」という皮肉の「褒め言葉」だと言いますかね。