2012年10月22日月曜日

翻訳者にとってどんな態度は必要なのか (for class)

 先週の読み物を読んだ後、「翻訳をする時、意訳と直訳のバランスを取るのは凄く難しくて、またその作家のスタイルとリズムを真似するのはもっと難しいなぁ〜」と思いました。その点からみると、完璧な翻訳はほとんどありません。けれども、翻訳は国々の文化の交流のために不可欠な存在だと思います。

 先週、中国の作家莫言(モオ・イエン)はノーベル文学賞を受賞しました。初めて文学賞を受賞した中国人ですから、私も中国の友達もとても嬉しかったです。しかし、受賞は全て莫言氏の努力でもありませんでした。半分は彼の本を一生懸命翻訳したスウェーデンの翻訳家Anna Gustafsson Chen のおかげです。外国語で文学を読むのは一般人にとって一生かかってもできないので、素晴らしい翻訳が出来る人はとても大切なのではないでしょうか。

 翻訳者の重要性を認識すると同時に、私も今の翻訳家不足を心配しています。テクノロジーがどんどん発展している今、外国語が理解できる人は多くなってきたのに対し、優秀な翻訳家は少なくなってきました。それは何故かというと、翻訳は時間がかかるからだろうと思います。ある台湾の有名な翻訳家(彼女は源氏物語を中国語に訳しました)によると、いい翻訳者はまずいい読者として、原作の感情を読め、作者の声を聞けます。翻訳する時、作者がまるで自分の後ろでたっていてお互いに話しているように感じたそうです。名作の翻訳を終わった時、まるで恋人と別れてしまうように泣きたかったそうです。彼女が言ったのは翻訳の最高のレベルなのではないでしょうか。残念なことに、現在外国語の文章を翻訳する時、多くの翻訳者は早く終りたくて、全然彼女のレベルに達せないのです。


 マンガを訳し始めた時、翻訳グループの皆さんと一緒にとても難しい文を訳したことが一度あります。ハンターハンター315の詩でした。ある人はリーダーに「読者が訳文を分かったらいい。なぜ一生懸命作家の気持ちを理解してスタイルを真似するの?」と言いました。リーダーは大変怒りました。「そのマンガを書いた人にとって、その文は彼の赤ちゃんみたいなのよ。我々の訳文も自分の赤ちゃんみたいなのよ。責任をとらなきゃだめだよ!」

 以下は翻訳グループが問題した文です。スタイルはとても古くて、訳しにくいです。右のイメージは英語の翻訳ですが、もっと書きなおす必要があると思いますか。もしみんなさんは興味があれば、翻訳してみてください。

さあ  乾杯しやう
乾杯しやうぢゃないか 人といふものどもに
善人も悪人も いつの世も 人はくり返す
膿むには余りに長く  学ぶには余りに短い  時の螺旋上
だからこそ好く欲し  好く発するのだらう?
命など 陽と地と詩とで満たされるほどのものなのに
<菊地正央「人といふもの」(民明書房)より一部抜すい>

8 件のコメント:

  1. 上手な翻訳者の数が本当に減っていますか。私の経験では、最近は翻訳者(特に日本語から英語への翻訳者)はますます上手になったことに気が付きましたが… でも、Susanさんが描いた翻訳に対して態度はとてもいい点だと思います。翻訳したかったら、原作に対して尊敬が一番不可欠なことだという意見に賛成です。

    返信削除
    返信
    1. そうですね。私は元に外国語から中国語までの翻訳者の数が減っていると言いたいですが、実は中国語から外国語まで翻訳する人は多くなって来ました。数の問題を問わず、態度についての意見は普遍的だと思います。

      削除
  2. ディック・フランシスの競馬シリーズを専属で日本語翻訳していた故_菊池光先生と翻訳についてお話しをしたことがあります。
    競馬シリーズを訳するとき、何か特別に考えたりするのかと質問したら、別に考えない、原文を読んだら勝手に手が日本語を書いてくれるというような話をされたことを思い出しました。先生は訳出をしているとき、多分自分自身が筆者であるディック・フランシスになっていたのではないかとそのとき感じました。
    このシリーズは名訳としてとても有名だそうです(一緒にお仕事をさせていただいていたにもかかわらず、私は読んだこともないのですが・・・)。

    返信削除
    返信
    1. すずきさん、ご返事どうもありがとうございました。そうですね。やはり名訳が出来るために翻訳者は自分で筆者の人になっていたような感じがあるのではないかと思います。

      削除
  3. 古い詩を翻訳するのは本当に難しいですね!私にとって、その上の翻訳はいいですが、まだちょっと不自然な感じがあると思います。でも多分、この不自然な調子はその古い日本語のスタイルに似ていますかな。とにかく、翻訳グループのリーダーさんが言った「訳文も自分の赤ちゃんみたいなのよ」という意見は本当に面白いだと思います。翻訳者は自分の仕事に対して、そんなに深く感じるのは考えたことがありませんでした。

    返信削除
    返信
    1. ケリスさんが言ったとおりです。当時、私達のグループだけが「ハンターハンター」を翻訳したことではなかったので、もう一つのグループは翻訳しています。我々は一生懸命古典中国語を調べたけど、彼らはとても簡単な現代的な中国語を使って翻訳しました。読者は私達の翻訳を読んで、「へぇ、なぜ古い中国語を使っているのか。。なかなかわからない。。。」と言いました。読者のいろいろなテーストがあるようですね。

      削除
  4. 「ハンターハンター」というセリフを翻訳しようと思って、とりあえずこの結果があった:

    Let us toast!
    Let us toast to the thing we call "man."

    To the good men and bad, repeating throughout history,
    All festering too much and learning too little; all caught in the spiral of time.

    Is it for that reason man desires so much? Is it why he cries out so often?

    Even though the only thing a fulfilled life requires is the sun, the earth, and a poem?

    面白いことは、訳している時、日本語の意味などは一番難しいことではなかったと思った。困難なことは、「英語で、どうやってそのことを言えるのだろうか」ということだった。もし僕は上手な著者だとすれば、もっと素晴らしい翻訳ができたかもしれない。日本語の能力があれば、適切な翻訳ができるかもしれないけど、小説や詩を書く才能がなければ、すばらしく、感動させる翻訳はできない。

    つまり、翻訳者にとって、自分の母国語でうまく書ける能力は非常に大切だと思う。原作者の気持ちや言いたいことも大事だが、結局(日本語から英語に翻訳する場合)、英語でうまく書いていなかったら、良い翻訳と言えないではないだろうか。

    返信削除
    返信
    1. ご返事どうもありがとうございました。とてもいい翻訳だと思います。

      私は「訳している時日本語の意味などは一番難しいことではなかった」という意見がとてもいいポイントだと思います。いつも英語や日本語から中国語に翻訳することはしていたが、逆に訳しないのは日本語や英語に自信を持っていないからでしょう。歴史で有名な翻訳家はたくさんの外国語の作品を自分の母国語に訳すことができますけれども、自分の国の作品をうまく外国語に訳すことはなかったでしょう。

      削除